在日コリアンの多くはこの事例でもあるように、自営業者が多くをしめています。ここでは自営業者が加入できる国民年金の老齢基礎年金についてみていきます。
現在、20歳から60歳になるまで、日本に住所のある自営業者は国民年金に加入することになっています。この40年間、保険料を納めた場合にもらえる国民年金を満額といいます。現在は年間797,000円です。一方、自営業者が負担しなければならない国民年金保険料は、現在は一人当たり月13、300円の定額です。25年以上加入の受給資格期間は、保険料を納めた期間のみで満たす必要はなく、保険料免除期間や、カラ期間も入れてよいとなっています。カラ期間(合算対象期間)とは、保険料を納めていなくても、25年の受給資格期間として加えることのできる期間をいいます。
在日コリアンに適用されるカラ期間とは、在日コリアンがかつて、年金受給者から除外されていた期間をさします。1961年に施行された国民年金には、日本国籍を取得したものでなければ加入することができませんでした。後に、国籍条項が撤廃され在日コリアンにも年金が支給されることになりました。年金制度が施行され、国籍条項が撤廃されるまでの期間(1961.4.1〜1981.12.31)に、その当時自営業者などの永住者資格を取得しており、国民年金の対象者になりえた20歳から60歳までの期間があった場合は、その期間をカラ期間とすることができるようになりました。
よって、事例の場合、1944年に生まれたので、1964年に20歳になり、1981年までには17年間のカラ期間があり、国民年金を8年間支払っていますので、加入期間はカラ期間を合わせると25年になり、国民年金の受給権者となります。 |